ハイドアンドシーク
余程のことがないかぎり、周りにオメガであることは打ち明けない。
相応の扱いを受けざるを得なくなるから。
"教師はオメガに理解がある"は嘘だ。
たしかに先生たちは、一律にそういった講習を受けてはいる。
それでも凝り固まった考えは払拭できないらしい。
今まで、程度の差はあれど。
わたしがオメガだと知った先生たちはみんな、嫌悪感や面倒だという顔を隠しもしなかった。
だけどこの先生にはそれがない。
思ってはいるんだろうけど、意外にも、表情には全く出されなかった。
「お前な、わかるけど、担任にくらいは隠さず話せ。忠告くらいは俺もできるから」
「忠告?」