ハイドアンドシーク
かくして、今わたしの目の前にいるのは。
その東雲統理だった。
背はぐんと伸びていたし、声も、顔つきもびっくりするほど大人っぽくなっている。
"男子高校生"よりも"大人の男"というレッテルのがしっくりくるレベル。
それでも、どことなく憂いのある切れ長の目や、闇を溶かしたような黒髪は何一つ変わってない。
というか、なんか正直、めちゃくちゃカッコよくなってる。
「お前、れんだろ。鹿嶋 恋」
「ひ、人違いだと思います……」
「ふーん。そう」
納得してくれたのかと思ったけれど。
「初対面の男にとーりくん、て呼ばれる覚えないんだけど?」
まあ、そんなわけないですよね。