ずっとずっと、好きだった
私は本当は調理とかの裏方が良かったのに、なぜかクラスの女子たちにおされて、当日は接客をすることになってしまった。
メイド服なんて着るのは初めてで、ドキドキする。
しかも普段は絶対に着ないような、ヒラヒラのレースがあしらわれた膝丈のワンピース。
似合わないとか言われたら、どうしよう。
着替え終わった私は、ドキドキしながらクラスメイトの前に出る。
「わぁー、彩里ちゃん似合ってる」
「鈴木さん、すっごく可愛い!」
予想以上に皆が褒めてくれ、思わず頬がゆるむ。
ふと新のほうに目をやると、一瞬だけ目が合ったものの、すぐに視線を逸らされてしまった。
しかも新は執事服を着たまま、早足で教室を出て行ってしまう。
あ、あれ?
女の子たちは褒めてくれたけど。
新のあの様子からすると、見ていられないほど私、この服が似合っていないってことだよね?