ずっとずっと、好きだった
* * *
「おーい、お前ら。準備を頑張るのも良いが、そろそろ帰れよ。あまり遅くなると、親御さんも心配するからな」
「はーい」
担任に声をかけられ窓のほうへと目をやると、外はすっかり暗くなっていた。
時刻は19時を過ぎている。
やばい。文化祭の準備もラストスパートだからって、ついつい時間を忘れて夢中になってた。
「皆お疲れー!」
「明日、頑張ろうね」
クラスメイトが声をかけあいながら、次々と教室を出ていく。
私も早く帰らなきゃ。
片づけを済ませた私は、スクールバッグを持って急いで昇降口へと向かう。
「彩里!」
後ろから声をかけられたので振り向くと、新が走ってこちらへとやってきた。
「彩里、今帰るところ?」
「うっ、うん。そうだけど……」
やばい。新に話しかけられただけで、緊張してきちゃった。
それにしても、どうしたんだろう。
この前私が体育館で転んだときといい、新がこうして話しかけてくるなんて珍しい。
「どうしたの? 新」
「えっと、その……良かったら一緒に帰らねぇ?」
え?