ずっとずっと、好きだった
まさかのお誘いに、私は目が飛び出しそうになる。
だって高校生になってからは、新と一度も登下校を共にしたことはなかったから。
それどころか、この間体育館で転んだ私を助けてくれるまではまともに話してすらなかったから。
「……えっと、ほら、外暗いし。夜道に女子一人じゃ危ないからさ。送ってく」
うそ。
「……彩里が俺と一緒に帰るのが嫌なら、無理にとは言わないけど」
「いっ、嫌なんかじゃない!」
新と一緒に帰るのが嫌だなんてことは、絶対にない。それよりも、こうして声をかけてもらえたことがすごく嬉しい。
「ありがとう、新。それじゃあ、送ってくれる?」
「ああ」
こうして私と新は、一緒に帰ることになった。