ずっとずっと、好きだった


学校からの薄暗い帰り道、新と並んで歩く。


「……」

「……」


校門を出てから、会話は一切ない。


時折、ヒュウと吹く風の音と足音が聞こえるだけで、ずっと無言が続いている。


な、なんか気まずいかも。


せっかく一緒に帰ってるんだから、この機会に何か話したほうが良いかな?


新と一緒に帰ることなんて、この先あるか分からないし。


でも、新とは小学校を卒業してから気まずくなっちゃったせいで、この5年間ほぼ会話ゼロだったから。


そもそも何を話せばいいのかも分からない。


これでも私は、新の幼なじみなのに。


「あの、さ」


しばらく無言が続いたのち、新が口を開いた。


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