ずっとずっと、好きだった


「なっ、なに?」


新に話しかけられただけで、ドキッと高鳴る心臓。


「いや、その、明日の文化祭……」

「うん?」

「楽しみ、だな」

「そうだね」


去年は、新とは違うクラスだったから。


初めて新と、クラスメイトとして迎える文化祭だ。すごく楽しみ。


「でもまさか、執事の格好をさせられるとは思ってなかったけどな。俺、裏方が良かったのに」

「だけど執事姿の新、かっこよかったよ」

「彩里、今日の試着のとき見てたのか」


新の頬が、ほんの少し赤らむ。


「まじ恥ずかしいから、俺のことあんまり見ないで」

「えー、すごく似合ってたのに」


照れくさそうに口元を手で覆う新に、私はクスリと笑ってしまう。


「でも、彩里が褒めてくれたから。俺、明日の執事頑張ろうかな」

「私も。メイド頑張る。メイド服を着る機会なんてこれからないかもしれないし。楽しもう」

「ああ。夏休み明けから皆で準備してきたんだ。明日はクラスのために、お互い頑張ろうな」


自然と微笑み合う私たち。


明日はいよいよ、文化祭です。


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