ずっとずっと、好きだった


それからトラブルもなく順調に進んでいき、私は交代の時間となった。


控え室に行くと、そこには新もいた。


控え室は今、私と新のふたりだけだ。


「お疲れ、彩里」

「新も交代?」

「ああ」

「そっか。お疲れ様」


ああ。それにしても、疲れたな。


午前中だけだといっても、初めての接客にずっとドキドキしっぱなしだったから。


だけど……。


「疲れたけど、それ以上に楽しかったな」


初めてのメイドも、接客も。


そして、クラスのみんなで協力してひとつのことをやり遂げるという達成感みたいなものも、味わえたし。


「はぁ〜っ。ずっと立ちっぱなしだったから、ちょっと休憩」


私は、空いている椅子にそっと腰をおろす。


すると、私が座っている目の前のテーブルにお皿が置かれた。


「えっ……」


お皿には、プリンがのっている。

それに、プリンのそばにはさくらんぼとホイップクリームまで添えられている。


「新、これは……?」


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