ずっとずっと、好きだった
「はぁ……っ」
高校の体育館で私はひとり、ため息をつく。
そうだよ。今までのことを思い返してみれば、新とこんな気まずい関係になってしまったのも、元はと言えば私のせいだ。
こんなことになるなら、小学校の卒業式のあの日、新に『好き』だなんて言わなければ良かったかな。
そうすれば、こうやって毎日放課後にこっそりとファンの女の子たちに混じって、新が所属するバスケ部の練習を見ることもなかったかもしれない。
“ 新の幼なじみ ” として、新とも堂々と関わることができたかもしれないのに。
後悔したってもう遅いけれど。
「それでは、今日の練習はここまで」
「ありがとうございました!」
バスケ部の練習が終わったらしい。
それと同時に、練習を見に来ていた女の子たちがお目当ての部員に差し入れを渡すため一斉に動き出す。
「きゃー」
「新くーん」
──ドンッ!
「きゃ……っ」
私の肩に、後ろから走ってきた女の子が勢いよくぶつかる。
その拍子に身体のバランスを崩し、私は転んでしまった。
「痛……っ」
私がすぐに立ち上がれないでいると。
目の前にスっと、誰かの手が差し伸べられた。