私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。
「とーかちゃん」
ぇ……と空気が揺れた。
戸惑いに不機嫌にも近い表情を誤って浮かべた私は,昼休みに堂々と声をかけてくる響くんを見る。
「な,なんです……かー」
顔を逸らし小さく訊ねたけれど。
関わらないで下さい。
その意思は伝わらない。
ううん,伝わった上で無視をされてしまう。
「あーそぼ」
あ,遊ぼ?
高校の教室でそれは意味が分からない。
「む,無理です無理ですごめんなさいちょっと怖いです後にして下さい私お弁当食べなきゃなんで!」
っはー!! と息を吐きお弁当ガードをすると,私はその隙間から沢山の視線に気付いた。
ほらほらやめて,誰がみても組み合わせがファンタジーなんですっ。
響くんは,人気者。
響くんは遊び人。
だからと言って,自分から動く人ではない。
座って,蜂が寄ってくるのを待っている毒花なのだ。
なのにだからほら,世界線を誤ってる響くんのせいで