私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。
優菜が引き継ぐように,完璧に私の気持ちを受け止めてくれて。
「……うん」
私は初めて打ち明けた気持ちに,嬉しいような恥ずかしいような気持ちになりながら,目を丸くする優菜を見た。
「ちょっ」
優菜が私から一歩離れる。
整理して,改めて伝えるみたいに。
佐久間くんが何かを言いかけたけど,私達2人の素直で怪訝な目に迎えられて口を閉じた。
言いかけたのに閉じてしまったのを見て,何かがそわりと背中を通る。
「桃花。私も告白する。私は……煌芽の事が好きだよ」
うんと頷いた。
色んな場所で,優菜が佐久間くんのために浮かべた数々の表情を思い出す。
「でもね」
その予想外な接続詞に,私は睫毛に乗った水滴を飛ばした。