私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。



「響って,呼んでもいいですか?」



もう呼んでるじゃんって,そう言われるかと思った。

だけど

驚いた響くんは,ふっと笑って。



「いいよ。とーかちゃん」



死ぬまでそうしてて,なんて,すごく大袈裟なことを言う。

見透かされてる,と思った。

いつまで経っても私の中じゃ響くんで。



「それから……もう敬語じゃ,なくてもいい? 響。友達みたいに……ちゃんと彼女みたいにもっといっぱい話したい」



響はもう,変なこと言う·するの変なひとじゃない。

距離を取りたい怖い人じゃない。

彼女って自分から言うのは凄く,一瞬戸惑うくらい怖かった。

でもはね除けられないって信じて口にしてみると,恥ずかしさより怖さより,嬉しさが勝った。
< 140 / 143 >

この作品をシェア

pagetop