私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。



「~っもう!」



響くんって人は!

こんな時まで



「何なんですか,3歳児なんですかっ。何でもかんでも舐めて,何でもかんでも口に含まないで下さい!」



水滴が,響くんの口に消えたのは分かってる。

優しさの形をしていたような気が,しないでもない。

なのに訳の分からなくなった私は,同じだけ変な怒り方をしてしまった。



「何って。カノジョの涙は全部俺のものじゃん?」



そんなわけないです。

私のものは私のものです。

……そう。

私はそんな響くんの手を,とってしまったのだ。

こういう顔を見せられると,また自分の決断に自信がなくなる。



「あの……やっぱりやめにしませんか?
彼氏と親友の浮気を隠すために自分が浮気するって,意味,分かりませんから」
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