私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。
2人の裏切りと私の良心が,何故か響くんの手によって天秤に乗せられていた。
それがどうにも納得できない。
「だって……っ,私まだちゃんと傷付くことも出来てないのに。……いい人で居続けることも,楽じゃないんですよっ」
私がこんなことをする理由なんてないのだ。
私を現在進行形で裏切っている親友を,彼女の知らないところで守る理由なんて。
過去と良心にしか存在しないのだ。
「響くんが,黙っててくれたらいいだけなのに。優菜のことが憎いわけでもないくせに」
なんで
「何で1つも答えてくれないんですか!」
遊びたいだけなら,めんどくさい私のことはやっぱいらないって,そう言ってくれたらいいだけなのに。
「だって……」
私の最後の盾みたいに,必死につり上がった眉を,響くんがぐりぐりと緩めてくる。
「いじめてるのは俺だから。とーかちゃんが怒るのは当然のことでしょ」