私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。


拗ねた,とはまた違う,不機嫌そうな顔。

そんなものを突然に私に向けた響くんは,私の手を掴まえた。



「浮気はごっこじゃないよ,とーかちゃん。みたいもなにも,俺は本気」

「っ冗談やめてください」



響くんの興味本意なお遊びを,本気と呼ばないで下さい。



「冗談なんかじゃないけど?」



冷たく,怒ったような眼差し。

何バカなこといってんのって,そんな瞳。

……なんで?

冷たいのに,熱くなる。

変な音が,心臓で鳴る。



「わ……かり,ました」

「うん,それでよし」



うそばっかり。

分かってなんて無いのに,その場しのぎで適当なことを言ってしまった。

そして本題にはいる。
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