私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。


事の発端は,私が,明日提出の課題を,家からわざわざ,取りに,学校まで戻った事だった。

廊下のロッカーから課題用のノートを取り出し,さて帰ろうとその時に。

窓際に行儀悪く座る,響くんを見つけたのだ。

膝に頬杖をついて,あくびをして。

自分の席でもないのにあんなところで……

何をしているんだろう。

その好奇心が私の首を絞めた。

用もないのに,窓辺へ寄って。

私は響くんに気付かれないように,目線を追ったのだ。



「っ……ぇ」



佐久間,くん。

思わず呟いたとき,響くんが私を見た。

そしてふと,笑みを溢して。

余計に意味が分からなくなった私は,窓の外から目を離せなかった。

九条(くじょう) 優菜(ゆうな),出逢って2年の私の親友と,佐久間(さくま)煌芽(こうが),もうすぐ1年になる私の初めての彼氏。

テニス部の優菜と,バスケ部の佐久間くん。

帰りの時間が被るとは,たまに話に聞いていたけれど。

これは,流石に聞いてないよ2人とも。
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