ヒスイのさがしもの

わぼくのすべ





 パセリの神様の元へ向かう道中で、紅ちゃんを助ける方法をトウマと話すことにした。


「反応を見るに、火は苦手なんだろうな」

「そっ、そんな物騒なやり方、もうしないからね?」

「なにか考えでもあるのか?」

「うん……話し合いで解決するよ」

「話し合いなんて通用するか」

「す、するよ! だってパセリの神様は、人間のことが好きなんだよ」


 パセリの神様が私や紅ちゃんにひどいことをしたのは、人間のことが好きなのに、人間からは愛されていないという気持ちがあるからだ。だから私は、パセリの神様にお願いしたいことがある。


「……はじめはヒスイに任せよう。通用しなければ、そこからは俺のやり方に文句は言うなよ」

「ーーわかった!」


 ……きっと、大丈夫。だってそう、信じるしかない。

 パセリの神様の元へ通ずる穴に着く。トウマは深呼吸をする私を見もしない。私の手を引くと、犬の姿になり自分の背に乗せた。

 まだ心の準備ができてないーーそんな言い訳は心の奥に押し込めて、パセリの神様と対面する瞬間を待つ。深い穴を落ちて、洞穴の中へ着地した。


「あら、おかえりなさい」


 木の根に腰かけるパセリの神様が私たちに気づく。


「あのっ、紅ちゃんは無事ですか!?」


< 53 / 53 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

人魚の鼓動はあなたに捧ぐ

総文字数/28,978

ホラー・オカルト44ページ

表紙を見る
まよなかさん

総文字数/5,862

ホラー・オカルト13ページ

表紙を見る
青は弾けて消えないで

総文字数/6,417

恋愛(純愛)11ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop