好き勝手されるのは癪なので、貴様らは絶対に許しません ~という令嬢の報復~
 扉が開く。そこから飛び出してきたその女性は、ただ訪問して来た人間にしてはいやに着飾っていました。

 この屋敷はいつから催し物を行っていたのか、びっくり。私聞いてない。

「お久しぶりですね、コルニー様」

「……?」

 誰だっけ、ええっと……?
 ああ、確か学園時代の下級生。
 一時期何故かやたら私に突っかかっきたあの女の子だ。

 最近見かけないからすっかり忘れていましたわ。

「久しぶりね、バリア」

「アリアです」

 そうだったのか。

 しかし、よく見ると確かになかなかの可愛らしさです。どことなく落ちていたような雰囲気も感じなくもないし、私より大人な感じがする。背だって高いですし。

 あれ? 前見た時は私より小さかったような。成長期だからかしら。
 ちょっと隣に並んで見る。

「何をなさっているんですか?」

「いや、ちょっと気になって……。貴女まさか!」

「きゃ!」

 足元の見えないアリアのスカートを少し捲って見てみると。あ、やっぱり。

「厚底だ」

「なんですか貴女急に!?」

「ごめんなさい。ごめんなさいついでに、女の子は小さい方が好まれる殿方は多いらしいわよ。私はごめんだけど。あ、これはごめんついでってわけじゃなくて……」

「もう、結構です!! 大きなお世話という言葉をお知りにならないのですか?」

「まあ、そこまでにしたまえ。紹介するよ、この子が新しいぼくの婚約者さ。
どうだい可愛いだろう? 羨ましいかい? だろうねえ!!」

「……そういう事ですので、以後よろしくお願いしますわ」

 ふん、と言いたげな態度で改めて居を正す彼女。
 その彼女の腰に手を回し、まるで、誰も手に入れる事の出来ない高価な品物を貧乏人に見せびらかす嫌味な貴族みたい。……あ、そのものか。
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