王子がお家に住み着いた!
「え、え?な、んで?」
「おはようございます、お嬢様」


しれっと部屋に入ってきたのは毎日会っている公爵家のメイドで·······


「ま、まさか?」


ハッとして窓に飛び付くと、窓から見える景色はいつも見ている部屋からの眺めーー·····


「お、王宮じゃない!?」
「やだなぁ、私の部屋だとは言ったけど“王宮にある”私の部屋とは伝えてないよ?」


ふふふ、と笑ったルイスのその笑顔がそろそろ憎く見え始めた。


「な、なんで?というかいつからこの部屋は···!?」
「私が6歳の時からかな」

しれっと答えたその言葉に驚愕する。
6歳って、それってつまりルイスがお人形として来たときからあったって事じゃない···!!


ぶっちゃけだったら私室で寝てよ!と思うがそもそも王宮に帰ってくれという根本的な部分に行き当たり唸る。

そして気になる事は他にもあってー···


「あの、ちなみにいつまでこちらに···?」
「もちろん結婚するまで、かな?結婚したら改めて二人で王宮に住もうね」
「いや、なんで!!」

不敬なんて発想が頭から消え、叫ぶように抗議するが、ルイスは相変わらず微笑んだままだ。
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