月のない夜に永遠の愛を誓い
あたしにこんな見ず知らずの他人と結婚しろとでも言うの?
そう思ったとき、あたしの頭の中でぷつっ と糸が切れた。
「あたしに誰かもわからない男と結婚しろとでも!?ふざけるのもいい加減にして!!あたしを帰してよ!!」
あたしが我慢できなくて切れると、男は顔の表情変えずに言った。
「見ず知らずではない、俺は誇り高きウ゛ァンパイアの王子、ゼル・ジェイファー・ハイラルだ。よく覚えとけ」
はは……勝手に名乗ってるし。
……え…。ということはあたしはさ、変なウ゛ァンパイアのゼルの花嫁になるわけ……?
そう思ったとき、ゼルは心の中を読んだようなことを言った。
「“変な”ではない、“誇り高き”だ。お前に選択肢はない。素直に負けを認めるんだな。それと、これはめとけ」