月のない夜に永遠の愛を誓い
プロローグ




「キャッ!」


たった一本のろうそくだけが灯された薄暗い部屋に、少女が悲鳴をあげる。


その部屋に美しい女性が中へ入ってきた。


「誰か、誰か助けて!!」


必死の少女の叫びも虚しく返ってくる事はなく、ただ女性を睨むことしかできなかった。


その必死な姿に女性は ふっ と笑いを漏らし、なんと哀れだろう、と思ってしまう。


「残念ね、鬼ごっこはもう終わりよ。助けなんか来るはずもないわ。諦めなさい」


女性は冷たく言い放つと、腕を少女に向けて呪文を唱えると、少女の座っている位置に魔法陣が浮かびあがり、呪文を唱え終えた瞬間、少女を白い光りが覆い、その姿を消した。


その光景を女性はただ満足気に見ていた。


少女が消えたことを確認すると、音もなく立ち去っていった。


部屋には今にも消えそうなろうそくだけが残った。
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