月のない夜に永遠の愛を誓い
ここに連れてこられてわかったこと、それはあたしはゼルの花嫁になったこと。
あと、もう家に帰してもらえないこと。
あたしのテンションはがた落ちモードのなか、扉にノックがかかった。
誰だろうと思いつつも、かかってきたノックに返事をすると、扉が開いた。
そこから、あたしよりも随分可愛らしい女性が出てきた。
真っ黒い腰までの髪にはゆるやかなウェーブがかかっており、瞳はパッチリ二重、サファイアと思わせる碧い目をしていた。
そんな女性があたしの顔を見るなりものすごく瞳を輝かせ、表情は満面の笑みと言ってもいいほどのうれしそうにして、ベッドに座ってたあたしに向かって抱きついてきた。
あたしはただ頭の上にはてなマークを浮かばせることしかできなかった。
「やっぱり私の想像してた通りの子ね!!」
女性はあたしに抱きついてきてから離してくれない。
あたしはなぜ彼女が自分のことを知ってるのかわからなかった。