月のない夜に永遠の愛を誓い
3,忍び寄る影
…そういえばこの世界に来てから何も食べてない……。
確か学校出たのはは4時半だったな。
……じゃあ随分時間経ってるじゃん! どおりでお腹空くはずだわ。
何か食べたいなぁ……。
そんなこと考えて、部屋出たら何かあるかもと思い、ドアを開いた。
すると、なんとドアの横に見知らぬ男が立っていた。
あたしはいきなり視界に入ってきた男の人にびっくりして、 おわぁ! なんていうまぬけな声を出してしまった。
男は爽やかな笑顔で やぁ なんてこと言ったけど、あたしにしてみれば不思議でしょうがない。
男はまだ爽やかな笑顔をあたしに向けて自己紹介した。
「この度、紫音様の護衛をさせてもらいます、ロゼワードと申します。 ゼル様のご命令により部屋から出させないようにとの事なので、申し訳ありませんが部屋へお戻り下さい。」
……いつあたしの名前知ったのよ。
どうせ勝手に読んだんだろうけど。
「あ、あたしここに来てから何も食べてないんだけど」
「それでしたら使用人に作らせて持ってきますんで、しばしお待ち下さい。」
「やっぱだめ?」
「だめです」
爽やかな笑顔に圧倒されて、しかたなく部屋へ戻ることにした。