月のない夜に永遠の愛を誓い
―――……ん…? 誰かに持ち上げられてる??
お腹……なんか固いものに当たって痛いんですけど……。
あたしはゆっくり目を開けると、あたしの視界は真っ黒いので支配されていた。
――……っ!?
そう、つまりあたしは見知らぬ人の肩に荷物みたいに担がれていた。
ふいに耳に届いたのは、荒々しくドアを開ける音と、ゼルがあたしを呼ぶ声。
あたしを担いでる人は短く チッ と舌打ちをした。
いまいち自分の置かれてる状況がわからないんだけど………。
ゼルはいつもより低く、怒りがこめられている声で冷たく言い放つ。
「どうゆうつもりだ、フェンシス。 紫音をさらってどうする気だ」
うそ……あたしさらわれそうになってたの!?
ここで初めて自分の状況を把握した。