月のない夜に永遠の愛を誓い
あたしは向かってくるシルヴィーヌの剣をかわした。
なぜだか体が勝手に動く。
動きがはっきりと見える。
「あなたなのね、シルヴィーヌ。30年もの間、あたしを死んだことにして、ゼルと結婚しようとしていたのね」
あたしは戻った記憶を頼りにシルヴィーヌに言い放つ。
シルヴィーヌは苦虫を噛んだかのような表情をしていた。
「だったらなんだって言うの!?私はゼル様に取り入り、王妃となった者の特権を手に入れるまでよ。それまでは、あなたには死んでもらわなきゃ!!」
「…無駄なことをやめて。あたしはもう同じ目にはあわないわ」
そうよ、あたしはもう二度とこんな思いはしたくない。
あたしはその思いを胸にシルヴィーヌのところへ歩み寄った。