月のない夜に永遠の愛を誓い


「本当は多少深い傷でもあなたの場合は魔力が多い為すぐ治りますが、まだ記憶が戻ったばかりの上に深めに刺されたので危なかったんです。それでゼル様が…『ロゼフォード、いい』」



ゼルは何故かロゼフォードの言葉をさえぎった。



あたしは何でかわからないから聞いてみた。


「何?どうしたの?」



すると抱き付いてたクレアが ふふっ と悪戯っぽく笑った。



「じつはね、傷を治してくれたのはゼルなの。ゼルがアリシアに直接血を送って応急処置をしたから後は自己回復……かな?」




クレアはどこか嬉しそうにしていた。




「クレア、ロゼフォード。ちょっと部屋から出てくれないか」



ゼルがそう言うと、ロゼフォードはなにか察したかのように口元を僅かに上げ、「かしこまりました」と軽く頭を下げて部屋を出た。
クレアも面白くないような表情でロゼフォードの後についだ。



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