月のない夜に永遠の愛を誓い
バタン とドアを閉める音を確認してあたしはゼルの方を見た。
「ゼル、あたしの傷を治してくれたのって本当?」
ゼルは「あぁ」と短く返事をして軽く頭を縦に振った。
あたしには伝えたい事がある。
今伝えなければならない事が。
「あのね、ありがとう。あたしの為に血を分けてくれて。それでね、思い出したの。あたしは元からゼルの花嫁だったこと。婚約するはずのあの日の出来事。全部」
今度はあたしがあなたに思いを告げる番。
「もう知ってると思うけど、あたしは今も変わらずゼルが好き」