いらっしゃいませ幽霊さん
現実から…逃げて来た。そうだ、逃げて来たんだ。

「大丈夫だ。ここには誰も来ない。ここは、お前が大嫌いな世界じゃない」

何…この人。なんで私のことわかるの?この人も同じなの?

「俺の名前は如月初季(きさらぎうぶき)ここの店主をやっている」
「…うぶき…」

初季は私の腕を軽く引っ張って、再び椅子に座らせた。

「名前は?」
「…立花凛花」
「歳は?」
「聞いてどうするの?」

初季はため息をついて奥に入って行った。
またひねくれた性格が出てしまった。素直に答えればいいものを。


< 10 / 33 >

この作品をシェア

pagetop