いらっしゃいませ幽霊さん

　少し待つと、初季が何かを持って来て私の前に置いた。ハンバーグだ。

「今日多く作りすぎた。腹減ってるんだろ？食べろよ」
「わぁ…いいの？」

初季は静かに頷いた。ずっと空腹と戦っていた私は一気にハンバーグを口に入れた。

「ちょっ…誰も取らないから落ち着いて食べろよ」
「待って……おいしい」

そのハンバーグは今まで食べたもののなかで1番といってもいいくらいに美味しかった。いや、思い返してみれば最近はまともに食事をとれてなかった。いつぶりだろう、こんなに温かいごはんを食べたのは。

「余りものだけどうまいだろ？何回も研究したからな」
「うん、すごくおいしい」
「意外と素直じゃん、凛花…だっけ？」
「うん」