いらっしゃいませ幽霊さん

「はい。着替え」
「え、いいの？」
「風邪引くぞ」
　
　私は何も言わずに着替えを受け取った。どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう。

　その日は久しぶりにいい夢を見た。お姉ちゃんと一緒に砂場で砂の城を作る夢だ。まだ小さな手で、一緒に2人だけの城を作り上げる。お母さんがすぐそばのベンチで笑っていた。昔はあんなふうに良く笑ってたなぁ…。

　目が覚めると頰に涙がつたっていた。
ふかふかのベッドはすごく居心地が良くて、窓から差す日差しも、鳥のさえずりも、全てが心地よかった。

　昨日初めて来たし、ここがどんな場所かもわからないけれど、すごく居心地が良かった。