いらっしゃいませ幽霊さん
「…え」
 それはそうだ。ただ通りすがりに来るような場所ではない。でも、それならおじいさんだってどうやって来たんだろう。
 硬直していると、次々と客が入って来た。年齢はさまざまで、全体的にはお年寄りが多いが、ときどき子供や若者もいる。

「わぁ、綺麗なお姉さんがいるー」
「新入りかな?」
「お嬢さん、スパゲッティー1つお願い」
「私はハンバーグ」
「えっ!ちょっと待ってください」

なんで私が手伝わなきゃいけないの…。でも仕方ない、一晩泊めてもらったんだ。恩は返さないと。
 急足で初季のところへ行き、注文を伝えた。
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