いらっしゃいませ幽霊さん
「初季、本当にみんな死んでるの?」
「だからそうだって」
「え、本当の本当?」
「あ?本当だって言ってんだろ」
「…そっか。あ、注文書いた紙置いとくね」
「ありがと、まじ助かる」
「お給料ちょうだいね」
「はぁ?」
フライパンを器用に使う初季の顔は、改めて見るとすごく整っていた。綺麗な肌に、艶やかな黒髪、大きな目と長いまつ毛、尖った顎も、アイドル顔負けの美しさだった。
「はい、できた。運んで」
「あ、うん」
見とれている場合ではない。しっかり仕事をしないと。お盆を持って客たちのもとへ行くと、相変わらず賑やかに話していた。さっきの男の子はお姉さんと思われる人と一緒にいる。
「お待たせしました」
「ありがとう〜!」