いらっしゃいませ幽霊さん
ああ、もう死んでもいいかな。ふと、そう思った。このまま雨に打たれて死んでしまいたい。いや、みんなが死んでしまえばいいんだ。こんな世界消えてしまえ。全部全部無くなってしまえ。こんな世界、大嫌いだ。

 傘を捨て、土砂降りの中ただただ歩き続けた。昔から誰も私を愛してなんかいなかったんだ。姉…麗花が亡くなると、父も母も私を避け、離れ、中学からは友達ができなかった。
このまま死んだらお姉ちゃんに会えるかな。お姉ちゃんとまた一緒に遊んで、一緒にご飯を食べて、一緒に笑い合えるのかな。お姉ちゃん、私…もうそっちに行きたいよ。

知らない道をずっとずっと歩き続けると、目の前に古いトンネルが現れた。
< 4 / 33 >

この作品をシェア

pagetop