前世わたしを殺した男は、生まれ変わっても愛を捧ぐ
1、罪の証
熱い。全身炎に焼かれ、息苦しさを覚える。それでもそれ以上に胸が痛い。見れば剣が深々と突き刺さっている。
「アリーセ。俺はあなたを許さない」
男の声が震えているのは怒りのあまりか。もっときちんと顔を見たくても、自分の命は尽きかけ、意識は炎へと攫われていった。
「――また、あの夢」
小鳥のさえずりに優しい木漏れ日がカーテンの隙間から差し込む朝はとても清々しいものだろうが、ルティアは全身汗だくで、心臓は痛いほど早鐘を打っている。金縛りにあったかのようにしばし寝台から起き上がることができなかった。
(もう、何度見たことかしら……)
彼女は物心ついた時から炎に包まれる夢を見ていた。実際にそこにいるかのように熱さを感じ、毎回息苦しさを覚えながら起きることも習慣となってしまうくらい繰り返し見る夢だ。
だがここ最近は微妙に違う。夢の最期で男に剣を刺されて死ぬのだ。
「許さない、か……」
ようやく息が整い、豪華な寝台からそっと降りると、ルティアは窓際に寄り、カーテンをそっと開けた。彼女の背中まで伸びたプラチナブロンドが陽光に照らされて煌めき、肌蹴た胸元が光の下に晒される。
「許されるはず、ないわ……」
胸の谷間にある、まるで花びらのように咲いた火傷の痕。
この火傷痕は生まれた時からあったそうだ。両親は……特に母親はこんな傷をつけさせてごめんなさいと泣いて謝ったが、母には一切の責任はないと断言できる。
これは、ルティアの罪の証だからだ。
「アリーセ。俺はあなたを許さない」
男の声が震えているのは怒りのあまりか。もっときちんと顔を見たくても、自分の命は尽きかけ、意識は炎へと攫われていった。
「――また、あの夢」
小鳥のさえずりに優しい木漏れ日がカーテンの隙間から差し込む朝はとても清々しいものだろうが、ルティアは全身汗だくで、心臓は痛いほど早鐘を打っている。金縛りにあったかのようにしばし寝台から起き上がることができなかった。
(もう、何度見たことかしら……)
彼女は物心ついた時から炎に包まれる夢を見ていた。実際にそこにいるかのように熱さを感じ、毎回息苦しさを覚えながら起きることも習慣となってしまうくらい繰り返し見る夢だ。
だがここ最近は微妙に違う。夢の最期で男に剣を刺されて死ぬのだ。
「許さない、か……」
ようやく息が整い、豪華な寝台からそっと降りると、ルティアは窓際に寄り、カーテンをそっと開けた。彼女の背中まで伸びたプラチナブロンドが陽光に照らされて煌めき、肌蹴た胸元が光の下に晒される。
「許されるはず、ないわ……」
胸の谷間にある、まるで花びらのように咲いた火傷の痕。
この火傷痕は生まれた時からあったそうだ。両親は……特に母親はこんな傷をつけさせてごめんなさいと泣いて謝ったが、母には一切の責任はないと断言できる。
これは、ルティアの罪の証だからだ。
< 1 / 82 >