前世わたしを殺した男は、生まれ変わっても愛を捧ぐ
37、前世わたしを殺した男は
それから数カ月後、ルティアはテオバルトと結婚した。ルティアの家族はもちろん、テオバルトの家族も想像以上に喜んでくれた。
「テオは一生独身か、聖職者になるかもしれないと思っていたからな」
「無事に結ばれてくれて何よりだ」
兄二人の前ではテオバルトもどこか頭が上がらない様子で肩を竦めたのが新鮮だった。
「ルティア。息子の心を射止めてくれて、本当にありがとう!」
王妃に涙ながらに感謝され、困惑したのもいい思い出だ。
「ルティア。綺麗よ」
「殿下。どうぞ娘をよろしくお願いします」
「お姉さま! すっごく、すっごくきれい!」
「今回はファニーと同じ意見だよ。結婚おめでとう、姉上」
第三王子の妃として、その日ルティアはたくさんの人々から祝福された。
結婚してからも彼女は王子妃としてテオバルトを支え、孤児院や救貧院の設立に尽力した。また夫と共に外国へ赴き、互いの友好関係を深めるのに努力を惜しまなかった。
二人は似合いの夫婦としてもてはやされ、どこの国へ行っても歓迎されるようになった。実際テオバルトはルティアを片時も離さず、結婚する以前と同様、熱烈な愛の言葉を囁いている光景がたびたび目撃されている。それは周りの者が赤面するほどの溺愛ぶりだった。
もちろんテオバルトだけではなく、ルティアも彼を深く愛している。初めて迎えた夜では、彼の身体に残る傷痕を労わるようにそっと撫で、愛おしげに唇で触れた。彼も同じように、ルティアの胸元の花びらに口づけを落とし、何度も愛を捧げてくれた。
愛されることがこんなにも心を満たしてくれることを、ルティアは生まれて初めて知った。
不思議なことに、彼と身体を繋げるたび、傷痕が薄くなっているようだった。彼の胸の刺し傷も同様に。
「もしかしたらこれは、あなたと巡り合うための印だったのかもな」
テオバルトの言葉に、ルティアはそうかもしれないと思った。
彼でなければ、きっとこの身体を晒す気にはなれなかっただろうから……。
「ルティア。好きだよ」
「わたしも……大好き」
(この人と、家族になりたい)
あの頃にはわからなかった感情を知る喜びに包まれながら、ルティアはテオバルトとの愛を育んでいった。そして数年後――
「テオは一生独身か、聖職者になるかもしれないと思っていたからな」
「無事に結ばれてくれて何よりだ」
兄二人の前ではテオバルトもどこか頭が上がらない様子で肩を竦めたのが新鮮だった。
「ルティア。息子の心を射止めてくれて、本当にありがとう!」
王妃に涙ながらに感謝され、困惑したのもいい思い出だ。
「ルティア。綺麗よ」
「殿下。どうぞ娘をよろしくお願いします」
「お姉さま! すっごく、すっごくきれい!」
「今回はファニーと同じ意見だよ。結婚おめでとう、姉上」
第三王子の妃として、その日ルティアはたくさんの人々から祝福された。
結婚してからも彼女は王子妃としてテオバルトを支え、孤児院や救貧院の設立に尽力した。また夫と共に外国へ赴き、互いの友好関係を深めるのに努力を惜しまなかった。
二人は似合いの夫婦としてもてはやされ、どこの国へ行っても歓迎されるようになった。実際テオバルトはルティアを片時も離さず、結婚する以前と同様、熱烈な愛の言葉を囁いている光景がたびたび目撃されている。それは周りの者が赤面するほどの溺愛ぶりだった。
もちろんテオバルトだけではなく、ルティアも彼を深く愛している。初めて迎えた夜では、彼の身体に残る傷痕を労わるようにそっと撫で、愛おしげに唇で触れた。彼も同じように、ルティアの胸元の花びらに口づけを落とし、何度も愛を捧げてくれた。
愛されることがこんなにも心を満たしてくれることを、ルティアは生まれて初めて知った。
不思議なことに、彼と身体を繋げるたび、傷痕が薄くなっているようだった。彼の胸の刺し傷も同様に。
「もしかしたらこれは、あなたと巡り合うための印だったのかもな」
テオバルトの言葉に、ルティアはそうかもしれないと思った。
彼でなければ、きっとこの身体を晒す気にはなれなかっただろうから……。
「ルティア。好きだよ」
「わたしも……大好き」
(この人と、家族になりたい)
あの頃にはわからなかった感情を知る喜びに包まれながら、ルティアはテオバルトとの愛を育んでいった。そして数年後――