その勇者を殺してください

選択肢

魔王「やれやれ、たどりつたか」

勇者「これで終わりにしよう」

魔王「君はそれでいいかもしれないね」

勇者「何がだ？」

魔王「いや、君はなんのために生きている？」

勇者「お前を・・・」

魔王「それが終ったらどうするんだ？」

勇者「どこかで平和に暮らす」

魔王「そうか、君ならそれもできるかもしれない・・・ただ」

勇者「ただ？・・・お前とのんびり会話する気はないんだが・・・」

魔王「まぁ、きけよ。私に会うために長い歳月をかけてここまできたんだろう？」

勇者「ん？」

魔王「私も長い歳月、君を待ったんだ」

勇者「どうゆうことだ？」

魔王「まだ気が付かないのか？」

勇者「・・・」

魔王「お前たちのためにいるんだよ・・・私は・・・答え合わせをしよう」

勇者「・・・意味が分からない」

魔王「君たちのよな賞金稼ぎのために町ができて宿と飲食店がある」

勇者「・・・それは」

魔王「武器や防具は？」

勇者「・・・」

魔王「君が私を殺した場合なにがおきると思う？」

勇者「・・・世界が失業すると」

魔王「・・・まぁ、そんなところかな」

勇者「でも、モンスターがいるじゃないか」

魔王「あぁ、あれか？私が作らせているんだ・・・宝石や貴金属を核にして悪魔に・・・」

勇者「・・・ということは」

魔王「私を殺せば世界の循環は停止する・・・その程度の世界だ」

勇者「・・・なら」

魔王「なら、なんで君がここに来たのか？」

勇者「・・・」

魔王「そうだな・・・運が悪かった・・・ただそれだけだ」

勇者「そんな」

魔王「ここに来るまでにたくさんの「宝箱」を拾っただろう？」

勇者「あぁ・・・あれを置いたのもお前か？」

魔王「・・・置いた・・・とは、少しちがうかな・・・」

勇者「？」

魔王「あれは他の旅人の死体だよ、君たちはそう錯覚しているだけ」

勇者「・・・」

魔王「呪いのようなものでね・・・君たちもそうなる予定だったんだが・・・まぁいいか」

勇者「だからなんなんだ？」

魔王「それでも君は私を殺すのかい？」

勇者「そのために・・・」

魔王「まぁ・・・いいか、好きにするといい・・・私は弱いぞ」

勇者「は？」

魔王「そこらにいる一般人・・・村人とかわらんよ。ただの管理者だからな」

勇者「・・・そんな・・・」

魔王「さてと、本題に入ろうか？」

勇者「？」

魔王「簡単な選択肢だよ」

・勇者が魔王を討伐
・勇者のまま旅を続ける
・魔王を交代する
・魔王に殺される

魔王「いちおうここのルールでね・・・交代してくれると助かるんだが・・・好きにしてくれていい」

勇者「・・・交代？」

魔王「君が魔王になる」

勇者は静かに剣を抜いた