素直になりなよ。

「よ、姉貴。」


『あら、翔。もうお風呂終わったの?』


「おう。今日練習なかったから、全部早めに済ませた。」


『そっか、今日雨降ってるもんねー。』


不定期だけど、たまにこうやって姉貴に電話をかけて近況報告をしている。


『翔、最近ちゃんと寝れてる?』


「んー、まぁぼちぼち。」


あまり心配をかけたくなくて、言葉を濁した。


『ホントー?あ、あれ試した?送ったでしょ、アロマオイル。』


「1回やってみたけどダメだったよ。なんか落ち着かなくて、かえって目が冴えた。てか俺、部屋でアロマオイル焚くようなキャラじゃないんだけど…」


『キャラとかいう問題じゃないでしょー?睡眠、大事なんだから。体調崩したらじいちゃんに怒られるよー?』


「はいはい。」


『もー…』


『ママ、しょうくん!?まゆも、おはなしするー!』


『麻由が来た。電話かわっていい?』


「おう。」


麻由は姉貴の子供。もうすぐ4歳になる姪っ子だ。

< 10 / 85 >

この作品をシェア

pagetop