素直になりなよ。
『しょうくん、げんきー!?』
あまりの声量に、思わずスマホを耳から遠ざけた。
「麻由、お前スマホからもうちょい口離せ。」
『あぁ、ごめんごめん。』
姉貴の慌てる声が聞こえた。
慌てる母親の様子もそっちのけで、姪っ子が無邪気に話をする。
『きょうねー、ママがあたまいたいって朝いったから、あたまなでなでしてあげたのー!えらいー?』
「おう、エライエライ。ママ喜んでたか?」
『うん!いたいのとんでったって!』
「へぇ。よかったな」
『あのねー、あめがふったりーくもがいっぱいお空にある時は、ママ、あたまいたくなっちゃうんだってー。だからまゆがいつもなでなでしてあげるのー』
「へぇ…」
それからしばらく真由の保育園での話を聞いたりしているうちに『真由、そろそろ寝なさい』という姉貴の旦那の声が聞こえてきた。
『パパがねなさいだってー!しょうくんもはやくねてねー!おやすみー!』
まだ眠れそうにない姪っ子は、元気に挨拶をして、姉貴に電話をかわった。