素直になりなよ。

「元気だな、真由。」


『元気よー?でも、旦那が頭撫でながら本読んだら、あんなんでもすぐに寝ちゃうんだから。』


「へえ。姉貴も今日、真由に頭撫でられたんだろ?」


『そうそう。今日天気が悪かったから偏頭痛ひどくて。痛み止めの薬飲んでたら、真由、最近すぐに気付いて頭撫でてくれるようになったのよ。4歳ともなると、そんな気遣いまでできるようになるのねー。』


「偏頭痛って頭撫でるとよくなるの?」


『まぁ、直接効果があるわけではないけど、リラックス効果があるとか言うし、実際、楽にはなるわよ。私はね。』


「へぇ…。」


『あ!翔も彼女に頭を撫でてもらったらいいんじゃないの!?リラックスして眠れるかもよ?』


「先月別れたから今彼女いない。」


『またー?なかなか続かないねぇ。』


「まぁ、言われて付き合って、言われて別れて、の繰り返しだし。受け身ばっかだから仕方ないよな。」


『えー?好きな子はいないのー?』


「好きな子…?」


そう言われてパッと松田さんの顔が浮かんだけど振り払った。


「…いない。」


『えー?つまんなーい。さっさといい子見つけて、紹介しなさいよ?そして、ちゃんと睡眠もとること!アロマオイル、違う香りのを今度送るわ!彼女ができるまで、アロマで我慢しなさいね。』


「はいはい。じゃあな。おやすみー」


そう言って電話を切った。


ふぅ、と溜息をついて、ベッドに横たわる。

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