素直になりなよ。
――まずいな、このまま睡眠とれなかったら、マジで体調崩しそう。
ガラガラッ
「きりーつ」
日直の号令と共にフラフラと立ち上がり、礼をするとフラフラと椅子に座った。
椅子に座るタイミングがみんなとズレる中、もう一人フラフラと椅子に座ったクラスメイトがいたのでチラッと見て誰なのか確認した。
松田紗英。
高2になって初めて同じクラスになった女子。
――松田さんも、体調悪いのか…?
一瞬そう思ったけど、あまり深く考える余裕は、今の自分にない。
「おはよー。出欠とるぞー。五十嵐ー」
「はい。」
「上田ー」
「ほーい」
出欠確認が進む中、松田さんが気になってチラッと窓際の1番前の席へ目線を向ける。
肩の下まで伸びたダークブラウンのストレートヘア。
俯いて、あまり元気はなさそうに見えた。
「次ー、松田ー」
「…はい。」
うん、やっぱり声も元気がない。
どうしたんだろうな。