身代わり婚約者との愛され結婚
ベネディクトに野心が垣間見えていれば、私はベネディクトを選ばなかった。
だがそんなベネディクトの失態を拭う為に誠心誠意夫として支えます、なんて理由をつけられれば、次の婚約者に野心が見えても断れない。
ニークヴィスト侯爵家との縁談を断つにはあまりにも小さすぎるこの醜聞を理由に無理やり婚約破棄をしレヴィンを選んだとすれば……
「最終的には多額の慰謝料や損害賠償を請求され、エングフェルト公爵家にまたマイナスを与えてしまうわ」
「また、だなんて! お嬢様は何も悪くはありません!」
「えぇ。公爵夫人のお身体のことは、お嬢様の責任ではございませんよ」
私の呟きを聞いた二人がすぐに否定をしてくれる。
そんな二人の優しさに少し慰められた私は、胸の奥が温かくなるのを感じた。
“本当に何も出来ないのかしら……”
現状の私には、せいぜい結婚を伸ばすことしか出来ない。
その事実に、二人のお陰で温かくなった心はズシリと重みも持っていた。
だがそんなベネディクトの失態を拭う為に誠心誠意夫として支えます、なんて理由をつけられれば、次の婚約者に野心が見えても断れない。
ニークヴィスト侯爵家との縁談を断つにはあまりにも小さすぎるこの醜聞を理由に無理やり婚約破棄をしレヴィンを選んだとすれば……
「最終的には多額の慰謝料や損害賠償を請求され、エングフェルト公爵家にまたマイナスを与えてしまうわ」
「また、だなんて! お嬢様は何も悪くはありません!」
「えぇ。公爵夫人のお身体のことは、お嬢様の責任ではございませんよ」
私の呟きを聞いた二人がすぐに否定をしてくれる。
そんな二人の優しさに少し慰められた私は、胸の奥が温かくなるのを感じた。
“本当に何も出来ないのかしら……”
現状の私には、せいぜい結婚を伸ばすことしか出来ない。
その事実に、二人のお陰で温かくなった心はズシリと重みも持っていた。