身代わり婚約者との愛され結婚
私が爵位を継がないとなれば、ベネディクトもニークヴィスト侯爵家も宛が外れるだろう。
爵位のない令嬢の元へ婿に入るメリットはなく、侯爵家が私を嫁にするメリットも薄い。
嫁として迎えても、現状裕福な侯爵家はエングフェルト公爵家の後ろ盾も求めていなければ家同士の繋がりを作るメリットもないのだ。
“私を嫁にするくらいなら、もっと手玉に取りやすい侯爵家より下の家を取り込む方がメリットが大きいもの”
そうなれば、ベネディクトだけでなくベネディクトの兄たちからも私という存在の利用価値は薄れ、ベネディクトの醜聞だけで十分婚約破棄が可能になる。
そう、私が爵位を諦めれば。
「ダメですよ、ティナ」
私の呟きを聞いたレヴィンがゆっくり首を左右に振るが、それでも私にはこれ以上の解決策は見つけられそうになくて。
「ならどうしたらいいの? 私が爵位を諦める他にいい方法なんて……!」
こんなことを言っても仕方ないのに、思わず声を荒げてしまう。
「レヴィンだって! 私がここで判断を誤れば貴方にも、そしてクラウリー伯爵家にもどんな仕打ちをされるかわからないのよ……!?」
爵位のない令嬢の元へ婿に入るメリットはなく、侯爵家が私を嫁にするメリットも薄い。
嫁として迎えても、現状裕福な侯爵家はエングフェルト公爵家の後ろ盾も求めていなければ家同士の繋がりを作るメリットもないのだ。
“私を嫁にするくらいなら、もっと手玉に取りやすい侯爵家より下の家を取り込む方がメリットが大きいもの”
そうなれば、ベネディクトだけでなくベネディクトの兄たちからも私という存在の利用価値は薄れ、ベネディクトの醜聞だけで十分婚約破棄が可能になる。
そう、私が爵位を諦めれば。
「ダメですよ、ティナ」
私の呟きを聞いたレヴィンがゆっくり首を左右に振るが、それでも私にはこれ以上の解決策は見つけられそうになくて。
「ならどうしたらいいの? 私が爵位を諦める他にいい方法なんて……!」
こんなことを言っても仕方ないのに、思わず声を荒げてしまう。
「レヴィンだって! 私がここで判断を誤れば貴方にも、そしてクラウリー伯爵家にもどんな仕打ちをされるかわからないのよ……!?」