身代わり婚約者との愛され結婚
「いつまでも待っていてとは言えません。ですが、ベネディクトとの婚約破棄が叶ったら」
まるで自分にも言い聞かせるように、ゆっくり話すレヴィン。
そんな彼の言葉を、私も自分に刻むように耳を澄ませる。
“ベネディクトと婚約破棄が出来たら”
「その時は……っ」
「はい、待ってます」
少し言いづらそうにしているレヴィンの言葉を引き継ぎ私がそう口にすると、一瞬ぽかんとしたレヴィンの顔がまるで花が咲くように綻んだ。
「貴女の望む条件には少し足りませんが、それでも。ティナのことを愛しています」
「私も、身代わりとしてではなく、貴方を想っています」
それは不確定な口約束。
今の状況で婚約破棄を申し込んでもニークヴィスト侯爵家からは同意を得られないだろう。
ベネディクトの醜聞を盾にして無理やり婚約破棄を進めたとしても、私が公爵を継ぐ以上ベネディクトの代わりとしてベネディクトの兄との婚約を進めてくる可能性が高い。
それでも頑なに婚約破棄を進めれば、正当性がないとして婚約破棄の慰謝料を請求されるかもしれず……
ただでさえ私は家に迷惑をかけて生まれてきたのだ。
まるで自分にも言い聞かせるように、ゆっくり話すレヴィン。
そんな彼の言葉を、私も自分に刻むように耳を澄ませる。
“ベネディクトと婚約破棄が出来たら”
「その時は……っ」
「はい、待ってます」
少し言いづらそうにしているレヴィンの言葉を引き継ぎ私がそう口にすると、一瞬ぽかんとしたレヴィンの顔がまるで花が咲くように綻んだ。
「貴女の望む条件には少し足りませんが、それでも。ティナのことを愛しています」
「私も、身代わりとしてではなく、貴方を想っています」
それは不確定な口約束。
今の状況で婚約破棄を申し込んでもニークヴィスト侯爵家からは同意を得られないだろう。
ベネディクトの醜聞を盾にして無理やり婚約破棄を進めたとしても、私が公爵を継ぐ以上ベネディクトの代わりとしてベネディクトの兄との婚約を進めてくる可能性が高い。
それでも頑なに婚約破棄を進めれば、正当性がないとして婚約破棄の慰謝料を請求されるかもしれず……
ただでさえ私は家に迷惑をかけて生まれてきたのだ。