身代わり婚約者との愛され結婚
まるで喜んでいるみたいじゃない?
そんなことが頭を過り、レヴィン様が喜ぶ理由がないことに気付いてもう一度彼の方に視線を向けると。
「どうかされましたか」
「い、いえ……」
物凄く普通な表情の彼と目が合った。
“……勘違い、よね?”
ドキドキとまだ速いままの鼓動を隠す。
「では、お渡しいたしましたので俺はこれで」
サッと再び頭を下げたレヴィン様。
彼が扉から出ていくのを見送った私は、ふっと気になっていたことを思い出し慌てて廊下に飛び出して。
「本日は! 来られますか!?」
公爵令嬢として少しはしたないと思いつつ叫ぶように声をかけると、足を止めたレヴィン様がゆっくりと振り返った。
「はい、レヴィン・クラウリーとして」
レヴィン・クラウリーとして、ということは普通に参加者として参加するのだろう。
“なんだ、エスコートはしてくださらないのね”
決して大きな声ではなかったが、ハッキリと聞こえたその返事に少しだけがっかりした私は、その気持ちに気付かなかったフリをして改めてお辞儀をし、彼を見送ったのだった。
そんなことが頭を過り、レヴィン様が喜ぶ理由がないことに気付いてもう一度彼の方に視線を向けると。
「どうかされましたか」
「い、いえ……」
物凄く普通な表情の彼と目が合った。
“……勘違い、よね?”
ドキドキとまだ速いままの鼓動を隠す。
「では、お渡しいたしましたので俺はこれで」
サッと再び頭を下げたレヴィン様。
彼が扉から出ていくのを見送った私は、ふっと気になっていたことを思い出し慌てて廊下に飛び出して。
「本日は! 来られますか!?」
公爵令嬢として少しはしたないと思いつつ叫ぶように声をかけると、足を止めたレヴィン様がゆっくりと振り返った。
「はい、レヴィン・クラウリーとして」
レヴィン・クラウリーとして、ということは普通に参加者として参加するのだろう。
“なんだ、エスコートはしてくださらないのね”
決して大きな声ではなかったが、ハッキリと聞こえたその返事に少しだけがっかりした私は、その気持ちに気付かなかったフリをして改めてお辞儀をし、彼を見送ったのだった。