身代わり婚約者との愛され結婚
3.そこだけで判断するのは失礼ですね
「誕生日おめでとう! 可愛い私たちのティナ!」
「ありがとうございます。お父様、お母様」
ハンナの選んでくれたレモンイエローのドレスに身を包み両親の待つ部屋に入ると、わざわざ立って待っていてくれたらしく熱烈なハグで出迎えられた。
「それでティナ、ベネディクト君とはどうなんだね?」
和やかな雰囲気で席に着いた早々に放たれる父からの言葉に思わずうぐっと息を呑む。
“……なんて答えるべきかしら”
茶会に本人が来ないことは気付いているだろうが、流石に一度も来ていないとまでは思っていないはず。
もし一度も来ていないことがバレたら……
“婚約破棄、かしら”
私だって、この仲睦まじい両親を間近で見てきたのだから恋だとか愛だとかに憧れはある。
しかし、どう考えても条件だけを見ればベネディクト以上の相手はいない。
女性でも爵位を継げるこのターンバル国。
私はこのエングフェルト家の次期公爵なのだ、ならばそれ相応の考えをしなくてはならない訳で……
「確かにあまりお会いできてはおりませんが、本日のエスコートは彼がしてくださいます」
“多分ですけれど!”
「ありがとうございます。お父様、お母様」
ハンナの選んでくれたレモンイエローのドレスに身を包み両親の待つ部屋に入ると、わざわざ立って待っていてくれたらしく熱烈なハグで出迎えられた。
「それでティナ、ベネディクト君とはどうなんだね?」
和やかな雰囲気で席に着いた早々に放たれる父からの言葉に思わずうぐっと息を呑む。
“……なんて答えるべきかしら”
茶会に本人が来ないことは気付いているだろうが、流石に一度も来ていないとまでは思っていないはず。
もし一度も来ていないことがバレたら……
“婚約破棄、かしら”
私だって、この仲睦まじい両親を間近で見てきたのだから恋だとか愛だとかに憧れはある。
しかし、どう考えても条件だけを見ればベネディクト以上の相手はいない。
女性でも爵位を継げるこのターンバル国。
私はこのエングフェルト家の次期公爵なのだ、ならばそれ相応の考えをしなくてはならない訳で……
「確かにあまりお会いできてはおりませんが、本日のエスコートは彼がしてくださいます」
“多分ですけれど!”