身代わり婚約者との愛され結婚
少し奥まった場所だとはいえ、叫べば誰かしらは駆けつけてくれるという安心感と、そして今までされたことやレヴィンの家にしたことが頭に過った私はついそんなことを口にした。
“それに、これはただの自業自得じゃない”
今まで散々遊び、借金も作っていたベネディクト。
むしろ借金を背負ったまま追放されて市井に下る、なんてことにならなかった事を喜ぶべきだとすら思った私は、思わずフン、と鼻を鳴らした。
“こんなところにベネディクトと二人で居たくないわ”
そう考えた私はさっさと室内へ戻ろうとしたのだが、掴まれた腕を力一杯引いてもびくともしない。
「……ちょっと、離して。皆のところへ戻りますから」
「皆のところだ? お前エスコートもなく一人で来てただろ」
少し痛いところを突かれて一瞬口ごもると、ベネディクトは掴む腕により一層力を入れてくる。
「い、いた……っ」
「レヴィンのエスコートじゃねぇってことは上手くいかなかったんだろ? 慰めてやるよ」
「はぁ!? いらないわよッ、というか離して!」
「遠慮すんなって。俺だってこれから40も上のおばさんしか相手出来ないとか地獄だからな」
“それに、これはただの自業自得じゃない”
今まで散々遊び、借金も作っていたベネディクト。
むしろ借金を背負ったまま追放されて市井に下る、なんてことにならなかった事を喜ぶべきだとすら思った私は、思わずフン、と鼻を鳴らした。
“こんなところにベネディクトと二人で居たくないわ”
そう考えた私はさっさと室内へ戻ろうとしたのだが、掴まれた腕を力一杯引いてもびくともしない。
「……ちょっと、離して。皆のところへ戻りますから」
「皆のところだ? お前エスコートもなく一人で来てただろ」
少し痛いところを突かれて一瞬口ごもると、ベネディクトは掴む腕により一層力を入れてくる。
「い、いた……っ」
「レヴィンのエスコートじゃねぇってことは上手くいかなかったんだろ? 慰めてやるよ」
「はぁ!? いらないわよッ、というか離して!」
「遠慮すんなって。俺だってこれから40も上のおばさんしか相手出来ないとか地獄だからな」