身代わり婚約者との愛され結婚
“でも、生花と違って時間と勝負しながら王都に持ち込む必要がないなら、そもそもベネディクトの領地を通る必要なんてないもの”
「じゃあ、もしかして会場に飾られてるこの花たちも押し花なの?」
レヴィンから受け取った肖像画から噴水の近くにも飾られている白い薔薇に視線を移す。
じっと眺めてみるが、押し花にしてから組み立てたとは思えないように立体で。
“というか、生花にしか見えないのだけれど”
「いいえ、これらは押し花ではありませんよ」
「じゃあ、やっぱり生花なの?」
「それも違います」
にこりと笑ったレヴィンは、私が見ていた花を一本植え込みから抜いた。
「え! 抜けた……!?」
「はい。見ての通り、こちらは飾られているだけでここで咲いている訳ではないんです」
「咲いている訳ではない?」
私が驚いているのが面白いのか、可笑しそうにくすくすとレヴィンが笑みを溢す。
「生花を高濃度のエタノールで脱水し、グリセリンを含んだ特殊な保存液で染色して作った、生花を使った造花なんです」
「生花を使った造花……?」
思わずレヴィンの言葉を繰り返すと、彼がゆっくり頷いてくれて。
「じゃあ、もしかして会場に飾られてるこの花たちも押し花なの?」
レヴィンから受け取った肖像画から噴水の近くにも飾られている白い薔薇に視線を移す。
じっと眺めてみるが、押し花にしてから組み立てたとは思えないように立体で。
“というか、生花にしか見えないのだけれど”
「いいえ、これらは押し花ではありませんよ」
「じゃあ、やっぱり生花なの?」
「それも違います」
にこりと笑ったレヴィンは、私が見ていた花を一本植え込みから抜いた。
「え! 抜けた……!?」
「はい。見ての通り、こちらは飾られているだけでここで咲いている訳ではないんです」
「咲いている訳ではない?」
私が驚いているのが面白いのか、可笑しそうにくすくすとレヴィンが笑みを溢す。
「生花を高濃度のエタノールで脱水し、グリセリンを含んだ特殊な保存液で染色して作った、生花を使った造花なんです」
「生花を使った造花……?」
思わずレヴィンの言葉を繰り返すと、彼がゆっくり頷いてくれて。