身代わり婚約者との愛され結婚
31.幸せへのカウントダウン
「エングフェルト公爵領……で?」
父からされたその提案に、私とレヴィンはぽかんとして。
「我が領地はわりと余っているし、何しろ可愛い娘婿の実家だからね」
「!」
娘婿、とハッキリ口にした父にドキリとする。
「……売り込みは、成功しましたか?」
「ティナが選んだ時点で成功していたよ。面白そうだったから聞いてただけ」
「お、お父様!!」
ケラケラと笑う父に、思わず私が文句を言うように叫ぶ。
“レヴィンで遊ぶなんて!”
もうっ、と頬を膨らませながらそっと隣に座るレヴィンに視線を移すと、両手を膝の上でぎゅっと握りしめたレヴィンがいた。
“え?”
彼の手が小さく震えたように見え、もしかして怒ってしまったのかと慌てて彼の顔を覗き目を見開く。
「レヴィン……?」
何故なら彼が、そのアメジストのような瞳からポロリと涙を溢れさせていたからだ。
「ティナを、幸せにしてやって欲しい」
「はい、必ず……!」
「わざわざ売り込みなんて前置きしなくても、君が誰よりティナを想ってくれてるのは伝わっていたから」
父からされたその提案に、私とレヴィンはぽかんとして。
「我が領地はわりと余っているし、何しろ可愛い娘婿の実家だからね」
「!」
娘婿、とハッキリ口にした父にドキリとする。
「……売り込みは、成功しましたか?」
「ティナが選んだ時点で成功していたよ。面白そうだったから聞いてただけ」
「お、お父様!!」
ケラケラと笑う父に、思わず私が文句を言うように叫ぶ。
“レヴィンで遊ぶなんて!”
もうっ、と頬を膨らませながらそっと隣に座るレヴィンに視線を移すと、両手を膝の上でぎゅっと握りしめたレヴィンがいた。
“え?”
彼の手が小さく震えたように見え、もしかして怒ってしまったのかと慌てて彼の顔を覗き目を見開く。
「レヴィン……?」
何故なら彼が、そのアメジストのような瞳からポロリと涙を溢れさせていたからだ。
「ティナを、幸せにしてやって欲しい」
「はい、必ず……!」
「わざわざ売り込みなんて前置きしなくても、君が誰よりティナを想ってくれてるのは伝わっていたから」