身代わり婚約者との愛され結婚
 そんな私を弄ぶように親指で乳輪をなぞったレヴィンの、少しかさついた彼の指がくすぐったかった。

 
“さっきまで乳首を弄られていたから”

 まるで焦らすように動かされるその指が物足りなくて。


「ティナ、どうして欲しいですか?」
「っ」
「ほら、教えてください。俺はティナが一番望むようにしたいんです」

 悪魔が甘い言葉を囁くように、耳元でそんなことを囁かれると、口にするなんてはしたないはずの言葉たちが私から溢れて。

 
「――っ、舐めて、欲しい……っ」
「舐めるだけ?」
「直接吸っても欲しい……、も、何でこんな時だけ意地悪なの……っ!」
「あははっ」

“あ、あはは!?”

 絶対そんな雰囲気じゃなかったのに笑われたことと、いつも落ち着いた笑いしかしなかったレヴィンの無邪気な笑い声に私はぽかんとしてしまって。


「すみません、可愛くて。そして、嬉しくて」

 ごろんと私の隣に寝転がったレヴィンが、笑いながらそっと私の頬に張り付いた髪の毛を指で梳かす。

「……嬉しい?」
「やっと、本物としてティナに触れられるんです。俺が本物なんですよ」
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