身代わり婚約者との愛され結婚
4.夜会での距離が正しくて
「……花?」
「え?」
ぽかんとするベネディクトに私もぽかんとしてしまう。
“花であることすら知らなかったのかしら”
何か贈れ、とだけレヴィン様に言いつけたのかも。
そんな想像が頭を過り、むしろそれが正解だろうと納得してしまう。
「……いや、婚約者として当然だ。喜んで貰えてなにより」
呆れた雰囲気を私から感じたのか、ハッとしたベネディクトが薄っぺらい笑顔を貼り付けそんな事を口にしたが、なんだか面倒に感じた私は愛想笑いだけして入場する扉に視線を移した。
“何が婚約者よ”
招待客の入場が終わるのを待ちながらぼんやり思い出すのはレヴィン様のことだ。
“……そういえば、レヴィン様は今日一言も代理で来たとは言わなかったわね”
――まさか?
まさか、贈り物という存在自体彼が自発的に用意してくれたものだというのだろうか。
“パーティーが始まってからでも渡せる機会はあるはずだけれど”
それでも、隣に婚約者がいる状態の私になんだかんだで毎月会っている彼が彼の瞳の色と同じ花束を渡したとしたら。
「え?」
ぽかんとするベネディクトに私もぽかんとしてしまう。
“花であることすら知らなかったのかしら”
何か贈れ、とだけレヴィン様に言いつけたのかも。
そんな想像が頭を過り、むしろそれが正解だろうと納得してしまう。
「……いや、婚約者として当然だ。喜んで貰えてなにより」
呆れた雰囲気を私から感じたのか、ハッとしたベネディクトが薄っぺらい笑顔を貼り付けそんな事を口にしたが、なんだか面倒に感じた私は愛想笑いだけして入場する扉に視線を移した。
“何が婚約者よ”
招待客の入場が終わるのを待ちながらぼんやり思い出すのはレヴィン様のことだ。
“……そういえば、レヴィン様は今日一言も代理で来たとは言わなかったわね”
――まさか?
まさか、贈り物という存在自体彼が自発的に用意してくれたものだというのだろうか。
“パーティーが始まってからでも渡せる機会はあるはずだけれど”
それでも、隣に婚約者がいる状態の私になんだかんだで毎月会っている彼が彼の瞳の色と同じ花束を渡したとしたら。